同棲から結婚、今の部屋どうする?賃貸契約の名義変更や手続きを解説

同棲から結婚へ、心よりお祝い申し上げます。新生活への期待が膨らむ一方、「今住んでいる部屋の賃貸契約、そのままでいいの?」と、ふと疑問に思っていませんか?

本記事では、結婚後も今の部屋に住み続けるために必要な手続きをパターン別に徹底解説。契約者の名義変更はできるのか、大家さんへの報告はいつ・どう伝えればいいのか、といった具体的な疑問をスッキリ解消します。

目次

まずは確認!同棲から結婚で賃貸手続きが必要な2つの理由

「手続きってなんだか面倒…」「黙っていてもバレないのでは?」と感じる方もいるかもしれません。
しかし、結婚に伴う賃貸契約の手続きは、ふたりの新しい門出を円満にスタートさせるために、とても大切なステップです。まずは、なぜ手続きが必要なのか、その重要な理由を2つ確認しておきましょう。

理由① 賃貸借契約書に定められた「通知義務」

アパートやマンションを借りる際に、誰もが「賃貸借契約書」に署名・捺印をしたはずです。まずは一度、その契約書を引っ張り出して中身を確認してみてください。

多くの場合、契約書の条文の中に「契約者や同居人の氏名、連絡先など、契約内容に変更があった場合は、速やかに貸主(大家さんや管理会社)に通知しなければならない」といった旨の記載があります。これが「通知義務」です。

結婚は、

  • 同居人の続柄が変わる(例:「同居人」→「配偶者」)
  • 入籍によって契約者の姓(名字)が変わる

といった、契約内容の「重要な変更」にあたります。そのため、契約書のルールに従って、きちんと報告する必要があるのです。

理由② 無断での居住は「契約違反」になるリスクがある

もし、この通知義務を怠ってしまうと、どうなるのでしょうか。

最も大きなリスクは「契約違反」と見なされてしまうことです。契約違反が発覚した場合、大家さんや管理会社からの信頼を失うだけでなく、最悪のケースでは契約解除の通告を受け、退去を求められる可能性もゼロではありません。

もちろん、結婚というおめでたい事情ですぐに退去を迫られるケースは稀でしょう。しかし、「ルールを守れない入居者」という印象を与えてしまうと、今後の更新手続きや、お部屋の設備が故障した際の対応などで、スムーズなやり取りが難しくなることも考えられます。

大家さん・管理会社との信頼関係の重要性

手続きが必要なのは、単にルールだからというだけではありません。大家さんや管理会社との良好な信頼関係は、ふたりがその部屋で安心して暮らしていくための土台になります。

きちんと報告・相談することで、「誠実な入居者だな」という良い印象を持ってもらえます。将来、何か困ったことが起きた際にも親身に相談に乗ってもらいやすくなるでしょう。結婚というポジティブなライフイベントを正直に伝えることは、ふたりの新生活を円満にスタートさせるための、大切な第一歩なのです。

【簡単診断】同棲から結婚後の手続きはどれ?あなたの状況に合うパターンをチェック

「手続きの重要性は分かったけど、じゃあ具体的に何をすればいいの?」と思いますよね。ご安心ください。必要な手続きは、現在の契約状況によっていくつかのパターンに分かれます。

この章では、あなたたちがどのパターンに当てはまるのかを簡単に診断できます。まずは手元に賃貸借契約書を準備して、チェックしてみましょう!

診断の前に!手元の「賃貸借契約書」で確認すべき2つの項目

診断を始める前に、契約書で以下の2点を確認してください。

  1. 契約者(名義人)は誰になっているか?
    • 彼または彼女、どちらか一方の名前で契約しているか。
  2. 同居人に関する条項
    • 同居人の追加や変更に関するルールが記載されているか。

準備はできましたか?それでは、診断をスタートしましょう!

あなたはどのタイプ?3ステップで分かる手続き診断チャート

以下の質問に「YES」か「NO」で答えて、進んでください。

【START】

質問1. 現在の契約者は、彼・彼女のどちらか一方の名義ですか?

  • → YES の場合: 質問2へ
  • → NO の場合(連名契約など):連名契約は特殊なケースです。まずは管理会社に直接相談しましょう。

質問2. 結婚後も、現在の契約者が契約者であり続けますか?

(例:彼の名義で契約していて、結婚後も彼が契約者のまま)

  • → YES の場合: 質問3へ
  • → NO の場合(契約者を交代したい): 【パターンC】 が該当します。

質問3. 契約者の姓(名字)は入籍によって変わりますか?

  • → YES の場合(契約者が改姓する): 【パターンB】 が該当します。
  • → NO の場合(契約者の姓は変わらない): 【パターンA】 が該当します。

【診断結果別】あなたが詳しく読むべき見出しはココ!

診断結果はいかがでしたか?

  • 【パターンA】だったあなた
    • 最も手続きがシンプルなケースです。次の章の「【パターンA】最も手軽!契約者は変えずに『同居人情報の変更』をする」をチェック!
  • 【パターンB】だったあなたへ
    • 契約者の名前が変わるため、少し手続きが必要です。次の章の「【パターンB】入籍で姓が変わるなら『契約者名義の変更』」をチェック!
  • 【パターンC】だったあなたへ
    • 契約者を交代する手続きです。費用がかかる場合もあるので、しっかり確認しましょう。次の章の「【パターンC】審査が通れば確実!今の部屋で『新規契約』を結び直す」をチェック!

同棲から結婚後の賃貸手続きを解説!3つのパターン別

ここからは、診断結果で分かれた3つのパターン別に、具体的な手続きの流れ、必要書類、注意点を詳しく解説していきます。

【パターンA】最も手軽!契約者は変えずに「同居人情報の変更」をする

これは、契約者もその姓も変わらず、同居人が「婚約者」から「配偶者」に変わるケースです。手続きとしては最もシンプルで、費用もかからない場合がほとんどです。

  • 手続きの流れ
    • 管理会社・大家さんへ連絡
      • 結婚した旨を報告し、同居人の続柄変更の手続きをしたいと伝えます。
    • 必要書類の提出
      • 指示された書類(多くは「変更届」と「住民票」)を提出します。
  • 主な必要書類
    • 入居者情報変更届(管理会社指定の様式)
    • 新しい住民票(世帯全員分のもので、続柄に「夫」または「妻」と記載されたもの)
  • ポイント
    • 費用は無料か、かかっても事務手数料として数千円程度が一般的です。
    • この手続きが、同棲から結婚するカップルにとって最も多いパターンです。

【パターンB】入籍で姓が変わるなら「契約者名義の変更」

契約者が入籍によって改姓する場合の手続きです。これは単なる氏名変更ですが、管理会社によっては「契約内容の重要な変更」と見なされ、覚書を交わしたり、場合によっては再審査が必要になったりすることもあります。

  • 手続きの流れ
    • 管理会社・大家さんへ連絡
      • 結婚により契約者の姓が変わったことを報告し、名義変更の手続きについて確認します。
    • 必要書類の提出
      • 指示に従い、書類を提出します。
    • 覚書の締結または契約書の再作成
      • 変更内容を記した「覚書」を取り交わすか、新しい氏名で契約書を再作成します。
  • 主な必要書類
    • 入居者情報変更届
    • 新しい住民票
    • 氏名の変更が確認できる戸籍謄本(または戸籍抄本)
  • ポイント
    • 名義変更」は、賃貸契約において原則として認められにくいものです。しかし、結婚による改姓の場合は、比較的スムーズに認められることが多いです。
    • 事務手数料として1万円〜家賃1ヶ月分程度の費用がかかる場合があるため、事前に確認しましょう。

【パターンC】審査が通れば確実!今の部屋で「新規契約」を結び直す

契約者を現在の名義人からパートナーへ変更したい場合の手続きです。例えば、「彼の名義で契約していたが、結婚を機に彼女の名義で契約し直したい」といったケースです。

この場合、既存の契約を一度解約し、新しい名義人で改めて契約を結び直す「新規契約」という扱いになるのが一般的です。

  • 手続きの流れ
    • 管理会社・大家さんへ相談
      • 契約者を変更したい旨を伝え、新規契約が可能か相談します。
    • 既存契約の解約手続き
      • 現在の契約の解約手続きを進めます。
    • 新規契約の申込・審査
      • 新しい契約者で入居申込を行い、入居審査を受けます。
    • 新規契約の締結
      • 審査に通れば、重要事項説明を受け、新しい契約書を締結します。
  • 主な必要書類
    • 通常の賃貸契約に必要な書類一式(申込書、収入証明書、住民票、本人確認書類など)
  • ポイント
    • 最大の注意点は、初期費用が再度かかる可能性があることです。敷金・礼金、仲介手数料、鍵交換費用などが必要になるか、事前に必ず確認しましょう。
    • 入居審査も改めて行われるため、収入状況などによっては審査に通らないリスクもあります。

【共通】忘れないで!連帯保証人・緊急連絡先・火災保険の変更手続き

上記A〜Cのどのパターンであっても、付随して以下の変更手続きが必要になる場合があります。

  • 連帯保証人・緊急連絡先
    • 契約時に親にお願いしていた場合、変更が必要か確認しましょう。特に契約者を変更する(パターンC)場合は、新しい連帯保証人が必要になります。
  • 火災保険
    • 入居時に加入が義務付けられている火災保険も、契約者の氏名変更や住所変更の手続きが必要です。保険会社の連絡先を確認し、連絡しましょう。
  • 家賃の引落口座
    • 契約者名義と口座名義が一致する必要がある場合、引き落とし口座の変更手続きも忘れずに行いましょう。

まとめ

最後に、実際に行動を起こすためのチェックリストと、そのまま使える連絡用テンプレートをご用意しました。これさえあれば、もう手続きは怖くありません。ぜひ活用してください。

STEP1【事前準備】管理会社への連絡前に確認・準備することリスト
  • 賃貸借契約書を手元に用意する
  • 契約者名義、同居人に関する条項を確認する
  • 管理会社・大家さんの連絡先(電話番号、営業時間)を確認する
  • ふたりでどうしたいか(誰が契約者になるかなど)を話し合っておく
  • 質問したいことをメモにまとめておく
STEP2【書類準備】手続きで必要になる可能性のある書類一覧
  • 入居者情報変更届(管理会社指定の様式)
  • 住民票(入籍後の新しいもの/マイナンバー記載なし)
  • 戸籍謄本または戸籍抄本(氏名変更があった場合)
  • 収入証明書(源泉徴収票や課税証明書など)
  • 本人確認書類(運転免許証など)
  • 連帯保証人の関連書類

※管理会社によって異なるため、必ず事前に確認してください。

ふたりの新しい門出が、素晴らしいものになるよう心から応援しています!

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