ルームシェアの注意点は?契約前に決めておくべき重要事項

友人や気の合う仲間と、一つ屋根の下で暮らすルームシェア。家賃を抑えながら広いリビングのあるお洒落な物件に住めたり、誰かがいる安心感があったりと、新しいライフスタイルに胸を膨らませている方も多いのではないでしょうか。

「ただいま」と言える相手がいる毎日は、一人暮らしでは味わえない楽しさに満ちているはずです。

しかしその一方で、「お金のことで揉めて、大切な友達と気まずくなったらどうしよう…」「生活リズムの違いでストレスが溜まらないかな?」といった不安が頭をよぎるのも事実。

実は、ルームシェアで起こるトラブルのほとんどは、始める前に些細なルールを決めていなかったことが原因です。楽しいはずの共同生活が、些細な認識のズレで気まずいものになってしまうのは、あまりにもったいないですよね。

この記事では、ルームシェアを始める前に「何を」「どのように」決めておくべきかを、具体的なチェックリスト形式で徹底解説します!

目次

ルームシェアの賃貸契約、2つのパターンと注意点

ルームシェアを始めるにあたり、最初の関門となるのが物件の「賃貸借契約」です。誰が契約者になるのかによって、責任の所在や手続きが大きく異なります。主な契約形態は「代表者契約」と「連名契約」の2つ。それぞれのメリット・デメリットを理解し、自分たちに合った方法を選びましょう。

パターン1:代表者1人が契約する「代表者契約」

入居者のうち1人を代表者として、その人が貸主と契約を結ぶ方法です。他の入居者は、その代表者の「同居人」という扱いになります。

  • メリット
    • 契約手続きが比較的スムーズに進みます。契約書への署名捺印や必要書類の準備が代表者1名で済むため、手間が少ないのが特徴です。
  • デメリット
    • 家賃滞納や部屋の破損など、トラブルが起きた際の責任を代表者が一人で負うことになります。また、同居人は法的な立場が弱く、代表者が退去すると住み続けられない可能性があります。
  • 注意点
    • 入居申込書の続柄欄には、正直に「友人」「知人」などと記載します。虚偽の申告は契約解除の原因になるため、やめましょう。
    • 同居人が入れ替わる場合は、事前に大家さんや管理会社に連絡し、承諾を得る必要があります。

パターン2:入居者全員で契約する「連名契約」

入居者全員がそれぞれ契約者となり、貸主と契約を結ぶ方法です。全員が同等の責任を持つことになります。

  • メリット
    • 全員が契約者となるため、責任の所在が明確です。貸主側から見ても、家賃滞納のリスクが分散されるため安心感があり、審査の判断要素の一つになることがあります。
  • デメリット
    • 入居者全員分の申込書や必要書類(住民票、収入証明書など)が必要となり、手続きが煩雑になります。
  • 注意点
    • 入居希望者一人でも審査基準を満たさない場合、契約自体ができない可能性があります。事前に全員の収入状況などを確認しておくことが重要です。

ルームシェアの入居審査でチェックされるポイント

ルームシェア可の物件であっても、入居審査は行われます。貸主が最も懸念するのは「家賃の支払い」と「トラブル」です。以下のポイントは特に重要視されます。

  • 入居者全員の収入の安定性
    • 「家賃の3倍以上の月収」が目安とされますが、ルームシェアの場合は入居者全員の収入を合算して合算で判断されることが多い傾向にあります。全員が安定した職業に就いていることが望ましいでしょう。
  • 連帯保証人の有無
    • 連帯保証人が必要な場合、一般的には親族に依頼します。連名契約の場合は、それぞれの契約者に対して連帯保証人が必要になることもあります。保証会社を利用する選択肢も頭に入れておきましょう。

ルームシェアで絶対に決めるべき金銭ルール

人間関係を壊す原因の1つは、「お金」の問題です。楽しかった思い出も、お金のトラブル一つで苦い記憶に変わりかねません。「親しき仲にも礼儀あり」を徹底し、お金に関するルールは最初に、そして最も細かく決めておきましょう。

初期費用(敷金・礼金・仲介手数料など)の負担割合

物件契約時にかかる初期費用は、数十万円単位になることも。誰がいくら負担するのか、明確に決めておく必要があります。

  • 均等割が基本
    • 最もシンプルで公平なのが、全員で均等に割る方法です。後々のトラブルを避けるためにも、基本的にはこの方法が良いでしょう。
  • 部屋の広さに応じて傾斜をつけるパターン
    • 個室の広さや日当たりなどに差がある場合、不公平感をなくすために負担割合を変える方法もあります。例えば「広い部屋を使う人は初期費用を1万円多く払う」など、全員が納得できる形で決めましょう。

毎月の固定費(家賃・管理費)の支払い方法

毎月発生する家賃の支払いは、滞ると全員の信用問題に関わります。支払い忘れを防ぐ仕組みを作ることが重要です。

  • 支払い担当者を決めて集金する
    • 代表者が家賃をまとめて振り込む場合、他のメンバーは「毎月〇日までに代表者の口座に振り込む」というルールを徹底しましょう。振込手数料の負担についても決めておくと親切です。
  • 共有口座を開設してそこから引き落とす
    • 最もおすすめなのが、ルームシェア用の共有口座を開設する方法です。毎月決まった額を全員がその口座に入金し、家賃や光熱費の引き落としを全てそこにまとめれば、支払いが透明化され、集金の手間もなくなります。

変動費(光熱費・通信費・消耗品費)の精算ルール

電気代やガス代、トイレットペーパーなどの消耗品費は、月によって変動するため精算が面倒になりがちです。自分たちの性格に合った方法を選びましょう。

  • パターンA:毎月きっちり割り勘する
    • 請求が来てから利用人数で割る方法。公平ですが、毎月の計算や集金が手間になります。在宅時間が長い人と短い人で差をつけたい場合など、細かく決めたい人向けです。
  • パターンB:毎月定額を共有費として集める
    • 「共有費」として毎月1人1.5万円など定額を集め、そこから変動費を支払う方法。管理は楽ですが、実際の使用量と差が出た場合に不公平感が出る可能性も。数ヶ月に一度、収支を見直して金額を調整するのがおすすめです。
  • アプリを使った割り勘方法の紹介
    • 最近では「PayPay」や「LINE Pay」などの送金機能や、「B/43(ビーヨンサン)」のようなペア口座サービスを活用するのも便利です。お金のやり取りが記録として残るため、「払った・払っていない」というトラブルを防げます。

退去費用(原状回復費・クリーニング代)の精算方法

退去時に発生する原状回復費用も、トラブルの火種になりやすい点です。

  • 入居時に室内の写真を撮っておく重要性
    • 入居時に、壁の傷や床の汚れなどを日付がわかるように写真で記録しておきましょう。これは自分たちがつけた傷ではないことを証明する重要な証拠になります。
  • 破損させた人が負担するルールの明確化
    • 故意や過失で壁や床を傷つけてしまった場合は、その原因を作った本人が修繕費用を負担するのが原則です。このルールを事前に全員で確認しておけば、退去時の話し合いがスムーズに進みます。

快適なルームシェアのための生活ルール

育った環境が違えば、生活習慣や価値観が違うのは当たり前。この「当たり前」の違いを放置することが、日々の小さなストレスに繋がります。お互いが気持ちよく暮らすために、最低限の生活ルールを共有しておきましょう。

家事分担(掃除・ゴミ出し・料理など)の決め方

「誰かがやってくれるだろう」という意識は、関係悪化の第一歩です。家事の分担は明確にルール化しましょう。

  • 当番制にする
    • 「月曜はAさん、火曜はBさん」「今週はAさんがお風呂掃除、Bさんがトイレ掃除」のように、曜日や場所で担当を決める方法。公平ですが、当番を忘れると揉める原因にも。
  • 得意な人が担当する
    • 「料理はAさん、掃除はBさん」のように、得意な分野で分担する方法。クオリティは上がりますが、負担が偏らないように配慮が必要です。お互いの家事への貢献度を認め合い、感謝の気持ちを忘れないことが大切です。

共有スペース(リビング・キッチン・風呂・トイレ)の使い方

共有スペースはみんなの場所。一人が占領したり、汚したりすると、他の人のストレスに直結します。

  • 利用時間帯の配慮
    • 朝の洗面所が混み合う、夜中のシャワーの音が気になるなど、生活リズムの違いはトラブルの元です。特に朝の準備時間や就寝時間帯は、お互いのスケジュールを共有し、配慮し合う姿勢が求められます。
  • 私物の置き場所
    • リビングや廊下などの共有スペースに私物を置きっぱなしにしない、というルールは重要です。個人の物は各自の部屋で管理することを徹底しましょう。

友人の招待・宿泊に関するルール

ルームメイト以外の人が部屋に出入りすることは、プライバシーや防犯面にも関わる重要な問題です。

  • 事前の相談は必要か
    • 「友人を呼ぶ際は、前日までにグループLINEで報告する」など、最低限のルールを決めましょう。ルームメイトへの報告なしに人を招くのはマナー違反です。
  • 宿泊の頻度や期間の上限
    • 友人の宿泊は、月に何日まで、連続何日まで、といった上限を決めておくと安心です。宿泊者がいると、他のルームメイトは気を遣うものです。
  • 異性の宿泊についての取り決め
    • 特に男女混合のルームシェアでは、異性の宿泊に関するルールは非常にデリケートです。全面的に禁止するのか、条件付きで許可するのか、最初に全員の意見を確認し、合意しておく必要があります。

プライバシーと生活音に関するルール

いくら仲が良くても、プライベートな空間と時間は誰にでも必要です。お互いの領域を尊重するルールを作りましょう。

  • お互いの個室には勝手に入らない
    • これはルームシェアにおける大原則です。緊急時を除き、ノックもせずに入るのは絶対にやめましょう。
  • 電話やオンライン会議、音楽などの音量への配慮
    • 壁の薄い物件では、生活音が想像以上に響きます。特に夜間の電話やドライヤーの音、友人と盛り上がる声などには注意が必要です。

まとめ

ルームシェアを成功させる秘訣。それは、お互いの価値観を尊重し、快適な生活を送るために、始める前にしっかりと話し合い、決めたことを書面に残しておくことに尽きます。

今回ご紹介した項目は、いわば「未来のトラブルを防ぐためのお守り」です。

事前にルールを決めるのは、少し面倒で、相手に言い出しにくいと感じるかもしれません。しかし、この一手間を惜しまないことが、後々の「こんなはずじゃなかった」を防ぎ、かけがえのない友人やパートナーとの信頼関係を守ることに繋がります。そして、最高の思い出となる楽しいルームシェア生活を実現させるのです。

この記事を参考にあなたの最高のルームメイトと未来の生活について語り合ってみましょう!

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