賃貸物件のルームシェアは審査が難しい?理由と入居審査を通過するコツ

友人とのルームシェア。「楽しそうだけど、賃貸の審査が難しい」と聞いて、一歩踏み出せずにいませんか?

家賃を節約でき、気の置けない仲間と楽しく暮らせるルームシェアは魅力的ですが、一人暮らしや家族での入居に比べて、物件探しや入居審査でハードルの高さを感じる方が多いのが実情です。

この記事では、なぜルームシェアの審査が敬遠されがちなのか、その明確な理由を大家さん側の視点から徹底解説します。その上で、審査通過の可能性をぐっと高めるための具体的なコツを厳選してご紹介。

目次

賃貸のルームシェアは一人暮らしと比べて難しい?大家さんが最も恐れるリスク

なぜ「ルームシェア可」の物件は少なく、一人暮らしと比べて審査も難しいと言われるのでしょうか。それは、物件を貸し出す大家さんや管理会社が、過去の経験からいくつかのリスクを懸念しているからです。まずは貸主側の視点を解説します。

リスク①:家賃滞納|収入が不安定で連帯責任が曖昧

大家さんにとって最大の懸念は、家賃が安定して支払われるかという点です。ルームシェアはこの点で、いくつかの不安要素を抱えています。

友人は家族より関係性が変化しやすい

夫婦や親子といった家族関係に比べ、友人関係は永続的なものではないと判断されがちです。些細な喧嘩やライフスタイルの変化(就職、転職、結婚など)が原因で関係性がこじれ、ルームシェアが解消されるケースは少なくありません。そうなると、家賃の支払いが滞るのではないか、という懸念に繋がります。

一人が退去すると残された側の負担が急増する

例えば、家賃12万円の部屋を2人で月6万円ずつ負担していたとします。もし一人が急に退去してしまった場合、残された一人が12万円全額を支払わなければなりません。収入に対して家賃負担が過大になり、結果的に滞納してしまうリスクが高いと見なされるのです。

契約上は連帯して支払う義務がありますが、実際には「出て行ったあいつの分まで払えない」といったトラブルに発展しやすく、大家さんにとっては大きな悩みの種となります。

これは、同棲カップルは将来的に結婚し、家族になる可能性があると見なされるためです。関係性が「一時的なもの」と見なされがちな友人同士に比べ、継続性が期待できる分、大家さんも少し安心できるのです。

もちろん、これはあくまで一般的な傾向です。重要なのは、自分たちの関係性が安定的で、共同生活に計画性があることをしっかりとアピールすることです。

リスク②:近隣トラブル|騒音やゴミ出し問題への懸念

共同住宅において、入居者間のトラブルは最も避けたい事態の一つです。ルームシェアは、生活スタイルの違いからトラブルが発生しやすいと懸念されています。

友人同士で集まると騒音につながりやすい

若者同士のルームシェアでは、友人を部屋に招いて集まる機会も増えるでしょう。会話や音楽、生活音が深夜にまで及ぶと、他の入居者からのクレームに繋がりかねません。一人暮らしに比べて在宅人数が多い分、騒音リスクは高まると考えられています。

生活ルールの責任感が希薄になりがち

ゴミ出しの曜日や分別、共用部の使い方といったマンション全体のルールに対する意識が、入居者間で統一されにくいという懸念もあります。「誰かがやってくれるだろう」という意識が働き、責任感が希薄になることで、他の入居者とのトラブルに発展するケースを大家さんは警戒しているのです。

リスク③:契約の不安定さと物件の劣化

大家さんは、できるだけ長く、そして綺麗に物件を使ってもらいたいと考えています。この点でも、ルームシェアは不安視されることがあります。

関係解消による短期での退去が多い

リスク①とも関連しますが、友人関係の解消はそのまま契約の終了に直結します。通常の賃貸契約は2年間が一般的ですが、ルームシェアの場合は1年未満で解約になるケースも珍しくありません。退去のたびに原状回復や新たな入居者募集のコストがかかるため、大家さんにとっては短期解約は大きな痛手なのです。

複数人で住むことによる部屋の損耗が早い

単純に、一人で住むよりも二人、三人で住む方が、床や壁、水回りなどの設備が傷みやすくなります。特にリビングなどの共有スペースは使用頻度が高くなるため、劣化のスピードが早いと想定されます。これも、大家さんがルームシェアに難色を示す一因です。

賃貸ルームシェアで「難しい」を乗り越えるために知るべきチェックポイント

大家さんが抱えるリスクを理解した上で、次に入居審査で具体的に何が見られているのかを知りましょう。審査で重視されるポイントを事前に把握し、効果的な対策を練ることが「難しい」を乗り越える鍵となります。

ポイント①:入居者「全員」の支払い能力と安定性

最も重要なのが、家賃の支払い能力です。ルームシェアの場合、契約者だけでなく、入居する「全員」の収入が審査対象となります。

  • 収入額
    • 一般的に、全員の月収合計額が、月額家賃の3倍以上あることが一つの目安です。
  • 収入の安定性
    • 正社員かどうか、勤続年数はどれくらいか、といった収入の安定性も重視されます。学生やフリーター、契約社員の場合は、アルバイト先の勤続年数や収入証明をしっかり提出することが不可欠です。複数のアルバイトを掛け持ちしている場合は、すべての収入を合算して申告しましょう。

ポイント②:信頼できる連帯保証人の有無

連帯保証人は、万が一家賃滞納があった場合に、入居者に代わって支払い義務を負う重要な役割を担います。ルームシェアでは、この連帯保証人を誰が立てるかが大きなポイントになります。

  • 理想的な連帯保証人
    • 一般的には、両親や兄弟姉妹など、収入が安定している親族に依頼するのが最も信頼性が高いとされます。
  • 保証会社の利用
    • 近年では、親族に依頼する代わりに家賃保証会社を利用するのが一般的です。保証会社の審査に通ることが、支払い能力の一つの証明になります。

ポイント③:入居者同士の関係性と共同生活の継続性

審査では、「この人たちは、本当に長く、問題なく一緒に住み続けられるのか?」という点も見られています。

  • 関係性
    • 申し込みの際には、ルームメイトとの関係性を正直に申告します(例:大学の友人、職場の同僚など)。関係性が長く、信頼に基づいていることを示せるとプラスに働きます。
  • 共同生活の目的
    • なぜルームシェアをしたいのか、その目的を明確に伝えることも大切です。「家賃を節約し、互いに助け合いながら新生活をスタートさせたい」といった前向きな理由を伝えましょう。

賃貸ルームシェアの審査通過率を上げるコツ

ここからは、審査が難しい状況を覆すための具体的なアクションプランです。少しの工夫と準備で、大家さんや不動産会社に「この人たちなら安心して貸せる」と思ってもらうことができます。

コツ①:盤石な体制を証明する!入居者全員の収入証明を揃える

審査の基本は、支払い能力の証明です。求められる前に、入居者全員分の収入証明書類を完璧に準備しておきましょう。

  • 会社員の場合
    • 源泉徴収票(直近1年分)、または課税証明書と給与明細(直近3ヶ月分)
  • 自営業・フリーランスの場合
    • 確定申告書の控え、または納税証明書
  • 学生・アルバイトの場合
    • 給与明細(直近3ヶ月〜半年分)や採用条件通知書など
  • 内定者の場合
    • 内定通知書(給与額の見込みが記載されているもの)

これらの書類を不備なく揃えて提出することで、計画性と誠実さを示すことができます。

コツ②:親族にお願いするのが基本!信頼性の高い連帯保証人を立てる

前述の通り、連帯保証人は審査の要です。まずは、安定した収入のある親族(両親など)に依頼できないか相談しましょう。もし入居者それぞれが保証人を立てられれば、それは非常に強力なアピールになります。

保証会社の利用が必須の物件も増えていますが、その場合でも親族の緊急連絡先は必要です。事前に協力をお願いしておくことで、手続きがスムーズに進みます。

コツ③:「ルームシェアに強い」不動産会社を戦略的に選ぶ

不動産会社の中には、学生街に強くルームシェア物件の仲介に慣れている会社や、「ルームシェア歓迎」の物件を多く扱っている会社が存在します。

インターネットで検索する際に「〇〇(地名) ルームシェア 相談 不動産」といったキーワードで探したり、複数の会社に電話で「友人とのルームシェアを検討しているのですが、ご相談可能でしょうか?」と問い合わせてみたりして、親身に対応してくれる会社を見つけるのが成功への近道です。

まとめ

ルームシェアの賃貸探しや審査は、確かに一人暮らしより手間がかかります。しかし、難しい理由を正しく理解し、一つひとつ丁寧に対策をすれば、決して乗り越えられない壁ではありません。

大家さんの不安を先回りして解消し、「この人たちなら大丈夫」という信頼を勝ち取ることが成功の鍵です。

最後に、これまでの重要ポイントをチェックリストで確認し、自信を持ってルームシェアへの第一歩を踏み出しましょう。

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