賃貸のインターネット無料は遅い?速度のリアルと後悔しない選び方

インターネット無料の賃貸物件、月々の通信費が浮いて魅力的ですよね。しかし「速度が遅くて使い物にならない」という声も多く、契約をためらっている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、無料インターネットが遅くなる本当の理由を解説し、速度を左右する重要なポイント「建物内の配線方式」の見分け方を分かりやすく紹介します!

目次

賃貸のインターネット無料は本当に遅い?

まず、多くの方が抱いている疑問にお答えします。「賃貸のインターネット無料は本当に遅いのか?」その答えを見ていきましょう。

「インターネット無料=遅い」は間違い!物件の見極めが全て

結論から言うと、「インターネット無料=必ずしも遅い」というわけではありません。正しくは「物件によって速度は差がある」が正解です。

月々数千円の通信費が節約でき、面倒な契約手続きなしで入居後すぐに使える「インターネット無料」物件は、正しく選べば非常にコストパフォーマンスの高い選択肢です。

では、なぜ「遅い」という評判が広まっているのでしょうか?それは、多くの人が物件のインターネット”設備”の質を見極めずに契約してしまい、「こんなはずじゃなかった…」と後悔しているからです。

この記事では、その”設備”の質、つまり快適な速度が出る物件かどうかを、専門知識がなくても見極めるための具体的な方法を徹底的に解説します。

そもそも「インターネット無料」と「インターネット対応」の違いとは?

物件情報を見ていると、「インターネット無料」とよく似た「インターネット対応」という言葉を目にすることがあります。この2つは全く意味が異なるため、最初に違いを明確にしておきましょう。

項目インターネット無料インターネット対応
意味大家さんが料金を負担。入居後すぐに使える建物に回線設備はあるが、契約と支払いは入居者
月額料金不要(家賃や管理費に含まれる)必要(入居者がプロバイダに支払う)
契約手続き不要必要(入居者自身でプロバイダを選ぶ)
利用開始まで入居当日からOK申し込みから開通まで2週間〜1ヶ月程度

簡単に言えば、「無料」は料金も手間もかからないのに対し、「対応」は自分で契約して料金を支払う必要があるということです。通信費を節約したいなら、「インターネット無料」の物件を選ぶ必要があります。

賃貸のインターネット無料が遅いと言われる3つの理由

なぜ物件によって速度に大きな差が生まれるのでしょうか。その原因は、主に以下の3つに集約されます。特に最初の「配線方式」が重要です。

速度は建物内の「配線方式」で決まる!

「この物件は光回線です!」と言われても、安心するのはまだ早いです。たとえ建物まで最大1Gbpsの高速な光ファイバーが引き込まれていても、建物内の共有スペースから各部屋まで、どのような方法で配線されているかによって、あなたの部屋で実際に使える速度は大きく変わってしまいます。

この最後の部分の配線方法を「配線方式」と呼び、主に3つのタイプがあります。

① 一般的に速度が速いと言われる「光配線方式」とは?

期待できる最大速度:1Gbps

これは、電柱から建物、そして各部屋まで、すべてが光ファイバーで接続されている理想的な方式です。例えるなら、高速道路の出口があなたのアパートの玄関に直結しているようなもの。通信のボトルネックがほとんどなく、回線本来の速度を最大限に活かせます。

オンラインゲームや高画質の動画配信、大容量データのやり取りなど、速度と安定性を重視するなら、この方式の物件を選ぶことをおすすめします。比較的新しい建物に採用されていることが多いです。

見分け方

内見時に、部屋の壁に「光」と書かれたコンセント(光コンセント)があれば、光配線方式である可能性が非常に高いです。

② 注意が必要な「VDSL方式」とは?

期待できる最大速度:100Mbps

これは、建物までは光ファイバーで、共有スペースから各部屋までは既存の電話回線(メタルケーブル)を利用して配線する方式です。高速道路を降りた後、自宅まで昔ながらの細い一般道を走るイメージです。

電話回線がボトルネックとなり、最大速度は理論上50〜100Mbps程度です。さらに、建物の構造やノイズの影響を受けやすく、実際には数十Mbps程度しか出ないことも少なくありません。Webサイトの閲覧など日常的な利用なら問題ありませんが、在宅ワークやオンラインゲームには力不足を感じる可能性があります。築年数が古い物件に多く見られます。

見分け方

壁の差し込み口が、一般的な電話線と同じモジュラージャックになっています。

③ 速度が変動しやすい「LAN配線方式」とは?

期待できる最大速度:1Gbps

建物までは光ファイバー、共有スペースから各部屋まではLANケーブルで配線する方式です。高速道路を降りた後、複数車線ある幹線道路を共有で使うイメージです。

理論上の最大速度は光配線方式と同じ1Gbpsですが、これは建物全体で共有する速度です。そのため、同じ建物内の他の住民がたくさんインターネットを使っている時間帯(夜間や休日など)は、速度が低下しやすくなります。VDSL方式よりは高速ですが、安定性では光配線方式に劣る可能性があります。

見分け方

壁にパソコンなどで見慣れたLANポート(LANコンセント)が直接設置されています。

建物まで来ている「回線の種類」もチェック(光回線 or CATV)

建物に引き込まれている大元の回線が何か、という点も速度に関係します。

  • 光回線(NTTのフレッツ光など)
    • 現在主流の高速回線です。データの送信(アップロード)と受信(ダウンロード)の速度が同じ「対称型」であることが多く、通信が安定しています。
  • CATV(ケーブルテレビ回線、J:COMなど)
    • テレビ放送用のケーブルを利用した回線です。ダウンロード速度に比べてアップロード速度が遅い傾向があり、オンライン会議や大容量ファイルの送信が多い方は注意が必要です。

物件情報に「J:COM NET無料」などと記載があれば、CATV回線であると判断できます。

夜間や休日に集中?建物全体の「利用状況」による速度低下

インターネット回線は、1本の道路を複数の車で共有するようなものです。特にアパートやマンションでは、建物全体で1つの高速回線を分け合って使っています。

そのため、多くの人が自宅でインターネットを利用する平日の夜(20時〜23時頃)や休日は、回線が混雑して速度が低下しやすくなります。これは「ベストエフォート型」と呼ばれるサービスの特性であり、ある程度の速度低下は避けられません。

この影響は、VDSL方式やLAN配線方式のように、共有部分が多い配線方式ほど顕著に現れます。

あなたの使い方に必要なインターネット速度の目安は?

「速い方がいいのは分かったけど、自分にはどれくらい必要なの?」という疑問に答えるため、快適に利用できる通信速度(下り速度)の目安を用途別にご紹介します。ご自身のライフスタイルと照らし合わせてみてください。

Webサイト閲覧やSNSが中心なら「10〜30Mbps」

メールの送受信、ニュースサイトの閲覧、TwitterやInstagramのチェックといった日常的な利用がメインであれば、10Mbpsも出ていればストレスを感じることは少ないでしょう。30Mbpsあれば非常に快適です。VDSL方式でも、この範囲の利用であれば問題ないことが多いです。

在宅ワークや動画視聴を快適に行うには「30〜100Mbps」

YouTubeやNetflixなどの動画を標準画質〜高画質で視聴する場合、安定して30Mbps以上は欲しいところです。また、ZoomやTeamsなどを使った在宅ワークでのWeb会議では、映像や音声が途切れないために、下りだけでなく上り(アップロード)の速度と安定性も重要になります。快適な在宅ワーク環境を求めるなら、最低でも30Mbps、できれば50Mbps以上が目安です。

オンラインゲームや大容量データ通信には「100Mbps以上」が理想

一瞬のラグが勝敗を分けるオンラインゲームでは、速度はもちろん、応答速度(Ping値)が非常に重要です。安定して100Mbps以上の速度が出て、応答速度も速い光配線方式がおすすめです。また、高画質な動画編集データのアップロードなど、大容量のデータを頻繁にやり取りする方も同様です。

まとめ

今回は、「インターネット無料」の賃貸物件の速度のリアルと、後悔しないための選び方について解説しました。

最後に重要なポイントをもう一度おさらいします。

  • 「インターネット無料=遅い」は間違い。品質は物件の設備次第。
  • 速度を左右する最大の要因は、部屋までの「配線方式」である。
  • 理想は「光配線方式」。VDSL方式は速度に制限があるので要注意。

「インターネット無料」は、あなたの新生活を経済的にも、利便性の面でも豊かにしてくれる素晴らしい設備です。この記事で得た知識を武器に、ただ「無料」という言葉に踊らされるのではなく、その中身をしっかりと見極め、納得のいくお部屋探しを成功させてください。

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