マンスリーマンションとは？メリット・デメリットから費用の仕組みまで解説

出張や仮住まいなどで短期の住まいを探す際、「マンスリーマンション」が選択肢に挙がるものの、詳しい仕組みが分からず悩んでいませんか？この記事では、マンスリーマンションとは何かという基本から、一般賃貸やホテルとの違い、メリット・デメリット、そして気になる費用の仕組みまで、知りたい情報を徹底解説！

マンスリーマンションとは？まず知りたい基本と賃貸・ホテルとの違い

まずは「マンスリーマンション」がどのようなものか、基本的な仕組みから見ていきましょう。他の居住形態と比較することで、その特徴がより明確になります。

マンスリーマンションの基本的な仕組み

マンスリーマンションとは、その名の通り「月単位」で契約できる賃貸物件のことです。大きな特徴としては、生活に必要な家具・家電があらかじめ備え付けられている点にあります。

スーツケース一つで入居したその日から、自宅のように快適な生活をスタートできるのが魅力です。テレビや冷蔵庫、洗濯機、ベッド、電子レンジといった大型の備品はもちろん、物件によっては調理器具や食器類まで揃っている場合もあります。一般的な賃貸物件のような煩雑な手続きや引越しの手間を大幅に省ける、利便性の高い住まいの形です。

マンスリーマンション・一般賃貸・ホテル・ウィークリーの違いが一目瞭然

マンスリーマンションの立ち位置を理解するために、他の居住形態と比較してみましょう。それぞれのメリット・デメリットが見えてきます。

比較項目	マンスリーマンション	一般賃貸	ビジネスホテル	ウィークリーマンション
契約期間	1ヶ月〜1年未満が中心	2年契約が基本	1泊単位	1週間単位
初期費用	安い（敷金礼金なし）	高い（家賃4〜6ヶ月分）	不要	不要（前払い）
家具・家電	あり	なし	あり	あり
光熱費等	賃料に含む場合が多い	別途契約・支払い	宿泊費に含む	賃料に含む場合が多い
審査	比較的緩やか	厳しい場合がある	不要	比較的緩やか
自炊	可能	可能	不可	可能
清掃	なし（退去時のみ）	なし	あり（毎日）	なし（退去時のみ）

表からも分かるように、マンスリーマンションは「ホテルの手軽さ」と「一般賃貸の居住性」の“良いとこ取り”をしたサービスと言えるでしょう。ウィークリーマンションとは基本的なサービス内容は同じですが、契約期間の単位が異なります。

マンスリーマンションとは本当にお得？メリット・デメリットを徹底解説

利便性の高いマンスリーマンションですが、利用を判断するにはメリットとデメリットの両方を正しく理解することが不可欠です。あなたの状況と照らし合わせながら、本当にお得かどうかを見極めましょう。

知っておきたい7つのメリット

敷金・礼金などの初期費用が安い
- 一般賃貸で必要な敷金・礼金・仲介手数料などが一切かかりません。これにより、初期費用を家賃の4〜6ヶ月分から、1ヶ月分＋α程度にまで劇的に抑えることができます。短期間の利用のために高額な初期費用を払いたくない方にとって、大きなメリットです。
家具・家電付きで引越しの手間いらず
- 生活に必要な家具・家電が完備されているため、大型の荷物を運ぶ必要がありません。引越し業者を手配する手間や費用も不要です。カバン一つで新生活を始められる手軽さは、急な赴任や一時的な仮住まいの際に非常に重宝します。
Web完結も可能！スピーディーな契約手続き
- 申し込みから契約までをオンラインで完結できる運営会社が多く、最短で即日〜数日で入居が可能なケースも珍しくありません。急いで住まいを確保しなければならない状況でも、スムーズに手続きを進められます。
光熱費やWi-Fi料金が込みのプランが多い
- 月々の電気・ガス・水道料金やインターネット利用料が賃料に含まれていることがほとんどです。面倒な開通手続きや支払いを個別に行う必要がなく、費用の管理がシンプルになります。
1ヶ月単位で滞在期間を柔軟に選べる
- 「3ヶ月だけ」「半年だけ」といったように、必要な期間だけ借りられるのが大きな魅力です。2年契約が基本の一般賃貸では対応できない、中期的なニーズにぴったりと応えます。
出張や単身赴任などのビジネスシーンに最適
- 法人契約に対応している物件も多く、企業の経費精算もスムーズです。社員研修やプロジェクト単位での長期出張など、ビジネスシーンでの活用事例が豊富で、法人向けのサービスも充実しています。
様々なエリア・間取りから選べる
- 都心部の駅近物件から郊外のファミリータイプまで、全国各地に様々な物件が存在します。単身者向けのワンルームだけでなく、家族で滞在できる2LDK以上の間取りも探せるため、幅広いニーズに対応可能です。

契約前に注意すべき5つのデメリット

長期滞在の場合は一般賃貸より割高
- 1ヶ月あたりの賃料は、同じエリア・条件の一般賃貸物件と比較すると割高に設定されています。これは、家具・家電の費用や短期契約の利便性が上乗せされているためです。1年以上の長期で住むことが確定している場合は、一般賃貸の方がトータルコストは安くなります。
原則として内見（内覧）ができない
- 入居者の入れ替わりが早いため、契約前に実際の部屋を見る「内見」ができないことがほとんどです。ウェブサイトの写真や間取り図、動画だけで判断する必要があります。そのため、イメージと実際の部屋の広さや日当たり、備品の状態でギャップを感じる可能性もゼロではありません。
家具や内装のデザインは選べない
- 家具や家電は備え付けのため、自分の好みのデザインやメーカーを選ぶことはできません。インテリアにこだわりがある方にとっては、物足りなさを感じるかもしれません。
途中解約の違約金や返金不可ルール
- 契約は一括前払いが基本のため、予定より早く退去することになっても、残りの期間の賃料が返金されないケースがほとんどです。契約期間を慎重に設定しないと、無駄な費用が発生するリスクがあります。
物件によっては住民票が置けない
- 短期の賃貸借契約であるため、生活の拠点と見なされず、住民票の異動が認められない場合があります。行政サービスを受ける上で不都合が生じる可能性もあるため、特に長めの滞在を予定している方は事前に運営会社への確認が必要です。

マンスリーマンションの費用とは？初期費用から総額までの仕組みを解説

「結局、総額でいくらかかるの？」という金銭的な疑問は、気になるところでしょう。費用の内訳からリアルな総額シミュレーションまで、詳しく解説します。

費用の内訳を徹底分解！何が含まれている？

マンスリーマンションの費用は、主に以下の項目で構成されています。

賃料
- 物件の基本的な利用料金です。
光熱費
- 電気・ガス・水道の料金。定額で賃料に含まれる場合と、上限を超えた分は実費請求される場合があります。
管理費（共益費）
- 建物の共用部分を維持管理するための費用です。
退去時清掃費
- 退去後に専門業者が室内を清掃するための費用で、契約時に支払うのが一般的です。
契約事務手数料
- 契約手続きにかかる手数料です。
その他
- 布団レンタル代、鍵交換費用、保険料などが別途かかる場合があります。

契約前には、表示されている金額にどこまで含まれているのか、見積書の内訳をしっかりと確認しましょう。

初期費用はいくら？敷金・礼金は本当に不要？

前述の通り、敷金・礼金・仲介手数料は不要です。これが初期費用を大幅に抑えられる理由です。

ただし、初期費用がゼロというわけではありません。契約時には、「滞在期間分の賃料・管理費・光熱費の合計」＋「退去時清掃費」＋「契約事務手数料など」をまとめて支払うのが一般的です。

【総額シミュレーション】東京で1ヶ月滞在した場合のモデルケース

具体的なイメージを掴むために、シミュレーションを見てみましょう。

【設定】東京・新宿エリアの1K（25㎡）に1人で1ヶ月（30日間）滞在する場合

項目	金額（目安）	備考
賃料	¥120,000	@4,000円/日
光熱費	¥15,000	定額
管理費	¥15,000
退去時清掃費	¥30,000	契約時に支払い
契約事務手数料	¥10,000
合計（初期費用）	¥190,000

このケースでは、入居前に約19万円が必要となります。同じ条件の部屋を一般賃貸で借りようとすると、敷金・礼金・仲介手数料などで50〜60万円程度の初期費用がかかることを考えると、その差は歴然です。また、家具・家電の購入費用も不要なため、トータルでのメリットは非常に大きいと言えます。

※この金額はあくまで一例であり、物件の築年数、駅からの距離、設備、時期によって変動します。

支払い方法は？

マンスリーマンションの支払いは、契約時に滞在期間の費用をすべて一括で前払いするのが基本です。支払い方法は、運営会社により異なりますが、主に以下の方法が利用できます。

銀行振込
クレジットカード決済

法人契約の場合は、請求書払いに対応していることがほとんどです。

マンスリーマンションの契約とは？入居までの流れと審査のポイント

「契約手続きが面倒そう…」と感じるかもしれませんが、マンスリーマンションのプロセスは非常にシンプルかつスピーディーです。

問い合わせから入居までの流れ

一般的に、以下の5つのステップで契約が進みます。

物件探し・問い合わせ
- 物件検索サイトで希望のエリアや条件に合う部屋を探し、空室状況を問い合わせます。
申し込み・必要書類の提出
- 気に入った物件が見つかったら、申込書に必要事項を記入し、身分証明書のコピーなど指定された書類をメールやFAXで提出します。
審査
- 運営会社が提出した書類を基に入居審査を行います。
契約・入金
- 審査に通ったら、契約書の内容を確認して署名・捺印し、指定された期日までに費用を入金します。
鍵の受け取り・入居
- 入居日当日に、指定された方法（現地キーボックス、郵送、店舗での手渡しなど）で鍵を受け取り、入居開始です。