IoT物件とは?一人暮らしにおすすめの理由とデメリットを解説

一人暮らしの物件探しで「IoT物件」という言葉を目にして、「初めて聞くけど、どんな物件?」「なんだか便利そうだけど、実際どうなの?」と気になっていませんか?

この記事では、「IoT物件とは何か?」という基本から、スマートロックによる防犯強化や家電の遠隔操作といった、一人暮らしの生活を豊かにするメリットを徹底解説。
さらに、家賃は高いのか、セキュリティは安全かといった、正直なデメリットや注意点に着目します!

目次

そもそもIoT物件とは?スマートホームとの違いも解説

最近よく聞く「IoT物件」。言葉の響きは未来的ですが、一体どのような物件なのでしょうか。
まずは、この記事の基礎知識から分かりやすく解説します。

IoTとは「モノのインターネット」のこと

IoTとは、“Internet of Things” の略で、日本語では「モノのインターネット」と訳されます。

これまでインターネットといえば、パソコンやスマートフォンが接続するためのものでした。IoTは、その対象をあらゆる「モノ」に広げる技術です。例えば、テレビやエアコン、照明、玄関の鍵、スピーカーといった、これまでネットとは無縁だったモノたちがインターネットに繋がることを指します。

身近な例では、腕に着けるだけで歩数や心拍数をスマホに記録してくれる「スマートウォッチ」もIoT機器の一つです。IoT技術は、私たちの生活の様々な場面で、すでに活用され始めています。

IoT物件をひとことで言うと「スマホや声で操作できる家」

では、「IoT物件」とは何でしょうか。

これは、先ほど説明したIoT技術を賃貸物件に応用したもので、ひとことで言えば「家の中の様々な設備がインターネットに繋がり、スマートフォンやスマートスピーカーで便利に操作できる賃貸物件」のことです。

例えば、以下のような暮らしを実現できます。

  • 外出先からスマートフォンで玄関の鍵が閉まっているか確認し、施錠する
  • 帰宅途中の電車の中から、家のエアコンや照明のスイッチを入れる
  • 「ただいま」の一声で、部屋の電気やテレビが自動でつく

このように、IoT物件は日々の暮らしをより安全に、より快適に、そしてよりスマートに変えてくれる可能性を秘めた、新しい住まいの形なのです。

スマートホームやスマートハウスとの違いは?

「IoT物件」と似た言葉に「スマートホーム」や「スマートハウス」があります。それぞれの意味に厳密な定義はありませんが、一般的に以下のようなニュアンスで使い分けられています。

用語意味
IoT物件賃貸物件で、IoT機器が導入されている物件を指すことが多い。
スマートホームIoT技術を活用して実現される便利な暮らしや状態、概念そのものを指す。
スマートハウス戸建て住宅で、特にエネルギー管理システム(HEMS)等を導入し、省エネ性能に特化した住宅を指すことが多い。

つまり、「IoT物件に住むことで、スマートホームという便利な暮らしが実現できる」と考えると分かりやすいでしょう。この記事では、主に賃貸物件を対象とした「IoT物件」について話を進めていきます。

どんな仕組みで動いているの?

「モノがインターネットに繋がる」と言っても、具体的にどうなっているのか不思議に思うかもしれません。IoT物件の仕組みは、主に以下の3つの要素で成り立っています。

  1. 各部屋のIoT機器(モノ)
    • スマートロック、スマートリモコン、ネットワークカメラなど、操作の対象となる機器です。
  2. Wi-Fi(インターネット回線)
    • 各IoT機器をインターネットに接続するための通信手段です。物件に備え付けの無料Wi-Fiが用意されていることが多くあります。
  3. スマートフォン(アプリ)
    • ユーザーが各IoT機器に指示を出すための司令塔です。専用のアプリを通じて、遠隔操作や設定を行います。

この3つが連携し、「スマホアプリで指示→Wi-Fi経由でデータが送られる→IoT機器が作動する」という流れで、便利な機能が実現されています。そのため、IoT物件を選ぶ上では、安定したインターネット環境が非常に重要になります。

一人暮らしにこそ知ってほしい!IoT物件のメリット

IoT物件の魅力は、なんといってもその利便性です。特に、何かと不安や手間がつきまとう一人暮らしにおいて、IoT物件は心強い味方となってくれます。ここでは、具体的な4つのメリットを、一人暮らしのシーンに沿ってご紹介します。

【防犯】スマートロックで実現する、初めてでも安心な暮らし

一人暮らし、特に女性の方が最も気になるのがセキュリティ面ではないでしょうか。IoT物件は、物理的な防犯設備に加えて、テクノロジーの力であなたに「安心感」を与えてくれます。

  • 鍵のかけ忘れがなくなる
    • 「あれ、玄関の鍵、ちゃんとかけたっけ…?」と、家を出てから不安になった経験はありませんか。スマートロック付きの物件なら、スマホアプリでいつでも施錠状態を確認できます。もし開いていても、その場で遠隔施錠できるので、もう不安で引き返す必要はありません。指定した時間になると自動で施錠するオートロック機能も非常に便利です。

  • 物理的な鍵が不要に
    • スマートロックは、スマホやICカード、暗証番号で解錠できるため、重い鍵を持ち歩く必要がありません。バッグの中で鍵を探す手間もなく、万が一鍵を紛失して家に入れなくなるリスクも低減できます。

【快適性】帰宅前に「快適な部屋」を準備できる!

仕事や学校でクタクタになって帰ってきたとき、部屋が快適な状態になっていると心から癒されますよね。IoT物件は、そんな「おもてなし」を自動で実現してくれます。

  • 帰宅したら、そこは快適空間
    • 夏の蒸し暑い日、最寄り駅に着いた瞬間にスマホでエアコンのスイッチをON。家にたどり着く頃には、涼しく快適な部屋があなたを迎えてくれます。冬の寒い日も同様に、部屋を暖めておくことができます。
  • 「ただいま」の一声で、いつもの空間へ
    • スマートスピーカーが設置された物件なら、あなたの声がリモコンになります。「ただいま」と言えば部屋の照明とテレビがつき、「おやすみ」と言えば全てが消える。そんなSF映画のような暮らしが、日常になるのです。両手が荷物でふさがっている時にも非常に重宝します。
  • リモコン探しの手間がゼロに
    • エアコン、テレビ、照明…。部屋に増えがちなリモコンを、スマホアプリ一つに集約できるのも大きなメリット。もう「あれ、エアコンのリモコンどこだっけ?」と探しまわる必要はありません。

【経済性】電気の消し忘れ防止や使用量の見える化で省エネに

一人暮らしでは、光熱費も気になるところ。IoT物件は、日々のちょっとした無駄をなくし、節約に貢献してくれる可能性があります。

  • 照明やエアコンの消し忘れを防止
    • 家を出た後に「あ、リビングの電気消し忘れたかも…」と思っても、スマホで確認してOFFにすればOK。無駄な電気代を発生させません。
  • 電力使用量を「見える化」
    • スマートメーターが導入されている物件では、時間帯ごとの電力使用量をスマホアプリでグラフとして確認できる場合があります。自分の電気の使い方を客観的に把握することで、自然と省エネへの意識が高まり、電気代の節約に繋がるでしょう。

契約前に要確認!IoT物件のデメリットや注意点とは

ここまでメリットをたくさん紹介してきましたが、もちろん良いことばかりではありません。未来の便利な暮らしに舞い上がって契約し、後から「こんなはずじゃなかった…」と後悔しないために。ここでは、IoT物件のデメリットや注意点を正直に解説します。

①家賃や初期費用が相場より高くなる可能性がある

便利な設備が備わっている分、コストが高くなる傾向にあるのは事実です。

  • 家賃・管理費への上乗せ
    • IoT機器の導入コストやメンテナンス費用が、家賃や管理費に数千円程度上乗せされているケースが多く見られます。同じエリア・広さ・築年数の一般的な物件と比較して、家賃が妥当かどうかを冷静に判断する必要があります。
  • 「インターネット無料」の仕組み
    • IoT物件は「インターネット無料」を謳っていることが多いですが、その利用料が実質的に家賃に含まれている場合がほとんどです。自分で別途契約した方が安く済むケースもあるため、「無料」という言葉だけで判断しないようにしましょう。

②セキュリティリスクとプライバシーの懸念

インターネットに繋がるということは、常にサイバー攻撃のリスクに晒される可能性があるということです。

  • ハッキングによる不正操作
    • 万が一、第三者に不正アクセスされた場合、留守中に鍵を開けられたり、カメラを覗き見られたり、家電を勝手に操作されたりするリスクはゼロではありません。
  • プライバシーの問題
    • ネットワークカメラの映像データや、生活パターンのデータがどのように管理されているのか、プライバシー面での不安を感じる方もいるでしょう。
自分でできる対策
  • 初期設定のパスワードは必ず複雑なものに変更する。
  • スマートフォンやアプリは常に最新の状態にアップデートする。
  • 公共のフリーWi-Fiなど、安全性の低いネットワークからの操作は避ける。
物件選びでの確認点
  • 導入されているIoT機器のメーカーは信頼できるか。
  • 機器のファームウェア(※機器を動かすソフトウェア)が定期的にアップデートされる仕組みになっているか、不動産会社に確認しましょう。

③インターネット回線や停電に弱い

IoT物件の機能は、安定したインターネット環境と電力供給があってこそ成り立ちます。

  • Wi-Fiの不調=機能停止
    • インターネット回線の速度が遅かったり、不安定だったりすると、機器の反応が著しく悪くなったり、全く機能しなくなったりします。これは大きなストレスに繋がります。
  • 停電時のリスク
    • 停電が発生すると、当然ながらほとんどのIoT機能は使えなくなります。特にスマートロックの場合、停電時やスマホの充電が切れた際にどうやって家に入るのか、事前に確認しておかないと締め出される危険性があります。

④機器の故障やトラブル時の対応が複雑になることも

備え付けの設備である以上、故障した際の責任の所在が曖昧になりがちです。

  • 誰が修理費用を負担するのか
    • 通常の使用範囲での自然故障であれば、大家さんや管理会社の負担で修理してもらえるのが一般的です。しかし、その判断基準が曖昧な場合、入居者負担になる可能性も否定できません。
  • どこに連絡すればいいのか
    • トラブルが発生した際、管理会社に連絡すればいいのか、それとも機器のメーカーに直接連絡するのか、対応フローが明確でないと、たらい回しにされてしまう恐れがあります。

【設備一覧】最新のIoT物件にはどんな機能があるか解説

では、具体的にIoT物件にはどのような設備が導入されているのでしょうか。ここでは、代表的なIoT機器とその機能をご紹介します。物件によって導入されている設備は異なるため、物件探しの参考にしてください。

設備名主な機能
玄関の鍵:スマートロックスマホアプリ、ICカード、暗証番号での施解錠・オートロック機能・施解錠履歴の確認・遠隔での施錠操作
家電を操作:スマートリモコン赤外線リモコンで操作する家電(エアコン、テレビ、照明等)をスマホアプリに集約・外出先からの遠隔操作・温度や時間に応じた自動操作
部屋の照明:スマート照明スマホでのON/OFF、調光、調色・タイマー設定や遠隔操作
防犯や見守り:ネットワークカメラスマホで室内の様子をリアルタイムに確認・動体検知、音声検知機能・録画機能・マイク・スピーカーによる音声のやり取り
声で操作:スマートスピーカー「OK Google」「アレクサ」などで音声操作・対応する家電や照明の音声コントロール・音楽再生、天気予報やニュースの読み上げ
窓の防犯:開閉センサー窓やドアの開閉を検知してスマホに通知・他のIoT機器との連携(例:窓が開いたらエアコンをOFF)

これらの機器が単体で機能するだけでなく、互いに連携することで、さらに高度な自動化(例:「おはよう」と言うと照明がつき、カーテンが開き、テレビでニュースが流れる)を実現できるのが、IoT物件の大きな魅力です。

 IoT物件の賢い探し方とは?内見時のチェックポイントも解説

「IoT物件に興味が出てきた!」という方のために、ここからは具体的な探し方と、契約後に後悔しないための内見チェックポイントを解説します。

不動産情報サイトでの検索キーワード

大手不動産ポータルサイトで物件を探す際は、フリーワード検索機能を活用しましょう。以下のキーワードで検索すると、効率的に見つけることができます。

  • メインキーワード: 「IoT物件」「IoT対応」
  • 関連キーワード: 「スマートホーム」「スマートロック」「インターネット無料」

また、「こだわり条件」の中に「IoT対応」や「スマートロック付き」といった項目が用意されているサイトもあるので、チェックしてみましょう。

内見時の必須チェックリスト7選

気になる物件が見つかったら、いよいよ内見です。デザインや広さだけでなく、IoT物件ならではの以下のポイントを必ず確認しましょう。このチェックリストをスクリーンショットしておくと便利です。

  • インターネット回線は無料?速度は十分?
    • 備え付けWi-Fiの有無と、家賃に含まれるかを確認。可能であれば、持参したスマホの速度測定アプリで実際の速度を計測させてもらいましょう。
  • どの設備が標準で、どこからがオプション?
    • 広告に載っている機器が全て付いてくるとは限りません。どの機器が「標準設備」なのかを明確に確認します。
  • スマートロックは停電時やスマホ紛失時にどう開ける?
    • 重要な確認事項の一つ。物理キーや手動での解錠方法、電池切れの際の対処法などを必ず実演してもらいましょう。
  • 操作用のアプリは直感的で使いやすい?
    • 実際にアプリのデモ画面を触らせてもらい、操作が複雑でないか、自分の感覚に合うかを確認します。
  • 故障した場合の連絡先と費用負担は?
    • 「デメリット」の章でも触れましたが、トラブル時の対応フロー(連絡先、受付時間、費用負担)を書面で確認できるか質問しましょう。
  • 自分で購入したスマート家電は接続できる?
    • 既にお持ちのスマートスピーカーなどを接続して使えるのか、ネットワークの制限などがないか確認しておくと良いでしょう。
  • セキュリティ対策(パスワード変更など)は自分でできる?
    • 各機器の初期パスワードを自分で変更できるか、セキュリティ設定の自由度はどの程度かを確認します。

まとめ

今回は、IoT物件の基本からメリット・デメリット、そして探し方までを詳しく解説しました。

最後に、この記事の要点をまとめます。

  • IoT物件とは、スマホや声で家電や設備を操作できる、インターネットに繋がった賃貸物件のこと。
  • 一人暮らしのメリットは、「防犯」「快適性」「安心感」「経済性」の4つの側面で生活を豊かにしてくれること。
  • デメリットは、「コスト」「セキュリティ」「通信環境への依存」「トラブル対応」のリスクがあるが、事前の確認と対策で軽減できること。
  • 物件選びでは、内見時のチェックリストを活用して、自分の目で見て触って確認することが非常に重要。

IoT物件は、全ての人にとって完璧な住まいというわけではありません。しかし、テクノロジーの力で日々の暮らしの質を向上させたいと考える人にとって、非常に魅力的な選択肢であることは間違いありません。

特に、以下のような方には、IoT物件が新しいライフスタイルを提案してくれるはず。

  • 防犯を最優先に考えたい、初めて一人暮らしをする方
  • 仕事や学業が忙しく、家事の効率化や時短をしたい方
  • 新しいテクノロジーが好きで、未来の暮らしを体験してみたい方
  • ペットを飼っていて、留守中の安全・安心を確保したい方

この記事が、あなたの後悔しない住まい選びの一助となれば幸いです!

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