結婚や出産など、家族が増えるタイミングでの住まい探し。「2LDK?それとも3DK?」と多くの選択肢を前に、我が家に最適な間取りが分からず悩んでいませんか?
この記事では、2人・3人・4人といった家族の人数別に最適な間取りを、暮らし方の具体例と共に徹底解説。
最適な間取り選びのために、メリット・デメリットなどを解説します!
ファミリー向け賃貸の間取り選びの基礎知識
本格的な間取り選びに入る前に、まずは基本的な言葉の意味や考え方をおさらいしましょう。
この前提知識があるだけで、不動産情報サイトの情報が格段に理解しやすくなります。
LDK・DK・Kの違いとは?広さの基準をイラストで解説
物件情報で必ず目にする「LDK」や「DK」。この違いは、キッチンに加えて食事や団らんができるスペースがどれくらい広いかで決まります。不動産公正取引協議会連合会が定める広さの目安は以下の通りです。
間取りの表示 | 居室(寝室)が1部屋の場合 | 居室(寝室)が2部屋以上の場合 |
K (キッチン) | 4.5帖未満 | 6帖未満 |
DK (ダイニング・キッチン) | 4.5帖以上8帖未満 | 6帖以上10帖未満 |
LDK (リビング・ダイニング・キッチン) | 8帖以上 | 10帖以上 |
※帖(畳)は地域によって広さが異なりますが、一般的に1帖=約1.62㎡で計算されます。
簡単に言えば、LDKが最も広く、家族でゆったり過ごせるスペースがある間取りということです。ファミリー向け賃貸では、このLDKやDKの広さが、家族のコミュニケーションの質を大きく左右します。
同じ2LDKでも広さが違う?専有面積(㎡)も必ず見よう
ここで注意したいのが、「同じ2LDKなのに、なんだか狭く感じる…」というケースです。その原因は専有面積(せんゆうめんせき)の違いにあります。専有面積とは、その部屋の居住者だけが使える床面積のこと。バルコニーは含まれません。
例えば、同じ2LDKでも、
- 専有面積55㎡の2LDK
- 専有面積70㎡の2LDK
では、LDKや各部屋の広さ、収納スペースが全く異なります。70㎡あれば各部屋にゆとりが生まれますが、55㎡だと少しコンパクトな印象になるでしょう。
間取り図を見る際は、「2LDK」という記号だけでなく、必ず「〇〇㎡」という専有面積の数字も確認しましょう。これが、実際の広さをイメージする上で最も重要な指標となります。
なぜ間取りが重要?家族のコミュニケーションとプライバシーを左右する
そもそも、なぜこれほど間取り選びが重要なのでしょうか。それは、間取りが「家族のコミュニケーション」と「個人のプライバシー」という、家庭生活における2つの重要な要素を決定づけるからです。
- コミュニケーション
- 広々としたLDKがあれば、家族が自然と集まり、会話が生まれます。子どもがリビングで遊んだり宿題をしたりする様子を見守りながら家事ができる対面キッチンも、コミュニケーションを育む人気の間取りです。
- プライバシー
- 家族でも一人の時間は必要です。子どもの成長に伴い子ども部屋が必要になったり、夫婦それぞれの時間や在宅ワークのスペースが欲しくなったりします。部屋数が確保できる間取りは、プライバシーを守り、家族一人ひとりの心の安定につながります。
「みんなでワイワイ過ごす時間」と「一人で静かに過ごす時間」。この両方を、自分たちの家族がどれくらい重視するのかを考えることが、最適な間取り選びの第一歩なのです。
【人数別】おすすめのファミリー向け賃貸の間取りと暮らし方

ここからは、「家族の人数別」におすすめの間取りを、具体的な暮らし方のイメージと共に解説していきます。
ご自身の家族構成と照らし合わせながら、読み進めてみてください。
【夫婦2人】将来を見据えた1LDK〜2LDKの選び方
夫婦2人暮らしは、ライフプランによって最適な間取りが大きく変わります。
- 夫婦2人の場合
- おすすめ:1LDK〜2LDK
- お互いのライフスタイルを尊重できる間取りが人気です。例えば、2LDKを選び、1部屋を寝室、もう1部屋をそれぞれの趣味や在宅ワークなどに使う「書斎」にすると、生活にメリハリが生まれます。来客が多いなら、少し広めのLDKがある物件を選ぶと良いでしょう。収納が充実した1LDKで、スッキリと暮らすのも素敵です。
- おすすめ:1LDK〜2LDK
- 将来子どもを考えている場合
- おすすめ:2LDK
- 「子どもが生まれたら、またすぐに引っ越すのは大変…」と考えるなら、初めから2LDKを選んでおくのが賢明です。子どもが生まれるまでは、1部屋を寝室、もう1部屋を将来の子ども部屋兼ゲストルームや収納部屋として広く使えます。子どもが生まれてからも、小学校低学年頃までは十分に対応できるため、腰を据えて子育ての基盤を築くことができます。
- おすすめ:2LDK
【3人家族】2LDK〜3DKが主流!子どもの年齢別活用術
子どもが1人いる3人家族では、子どもの成長段階に合わせて部屋の使い方が変わっていくのが特徴です。
- 乳幼児期:リビング横の部屋がプレイスペースに
- おすすめ:2LDK
- この時期は、子どもから目を離せません。LDKに隣接した部屋があると、そこを子どものお昼寝や遊びのスペースとして活用できます。キッチンから様子を見守れる間取りだと、安心して家事ができます。
- おすすめ:2LDK
- 小学生以降:リビング学習と子ども部屋の考え方
- おすすめ:2LDK〜3DK
- 子どもが自分の部屋を欲しがる時期。夫婦の寝室と子ども部屋を確保できる2LDK以上が基本になります。近年人気の「リビング学習」を取り入れるなら、ダイニングテーブルを置ける広めのLDKがある2LDKが便利です。一方、家賃を抑えつつ部屋数を確保したいなら、3DKも有力な選択肢。DK(ダイニング・キッチン)を食事専用スペースとし、3つの個室をそれぞれの部屋として使えば、プライバシーをしっかり確保できます。
- おすすめ:2LDK〜3DK
【4人家族】3LDK以上が基本!プライバシー確保のヒント
子どもが2人になると、それぞれのプライバシーをどう確保するかが大きなテーマになります。
- きょうだいが同性の場合/異性の場合の部屋割り
- おすすめ:3LDK〜
- 夫婦の寝室に加えて、子ども2人にそれぞれ個室を与えるなら3LDKが必須です。きょうだいが同性で年齢が近ければ、小学校中学年頃までは広い1部屋を共有で使い、思春期になったら家具で仕切るなどの工夫もできます。
異性のきょうだいの場合は、将来的に必ず個室が必要になることを見越して、初めから3LDK以上を選んでおくと安心です。4LDKを選んで、1部屋を家族共有の書斎や収納部屋にするという贅沢な使い方も可能です。
- 夫婦の寝室に加えて、子ども2人にそれぞれ個室を与えるなら3LDKが必須です。きょうだいが同性で年齢が近ければ、小学校中学年頃までは広い1部屋を共有で使い、思春期になったら家具で仕切るなどの工夫もできます。
- おすすめ:3LDK〜
- 在宅ワークと子ども部屋を両立させる間取り
- 在宅ワークが普及した現代では、仕事に集中できるスペースの確保も重要です。3LDKあれば、1部屋をワークスペースとして使うことができます。LDKの一角にカウンターやDEN(書斎スペース)が設けられている物件も人気です。
【5人家族以上】選択肢は?4LDKや戸建て賃貸のメリット
5人以上の家族になると、マンションタイプの賃貸では物件数が限られてきます。
おすすめ:4LDK以上、一戸建て、テラスハウス
部屋数を確保できる4LDK以上の間取りが理想ですが、都市部では希少で家賃も高額になりがちです。そこで視野に入れたいのが、「戸建て賃貸」や「テラスハウス」です。
これらのタイプは、マンションに比べて部屋数や収納が豊富で、何より上下階への音を気にする必要がないのが最大のメリット。子どもたちが家でのびのびと走り回っても、気兼ねなく暮らせます。物件探しに時間はかかるかもしれませんが、集合住宅にはない開放感と暮らしやすさが手に入ります。
【タイプ別】ファミリー向け賃貸の間取りメリット・デメリット

人数別のイメージが湧いたところで、次は間取りの「タイプ別」にメリット・デメリットを整理します。自分たちのライフスタイルや予算と照らし合わせ、最適なバランスを見つけましょう。
【2DK/3DK】メリット・デメリットと向いている家族
DK(ダイニング・キッチン)と複数の個室で構成される間取り。比較的築年数の古い物件に多いタイプです。
- メリット
- 同等の広さのLDKタイプに比べて家賃が割安な傾向がある。
- 部屋数を確保しやすく、個人のプライバシーを守りやすい。
- 食事スペースとくつろぎスペースに分けられる。
- デメリット
- LDKのような家族団らんの広いスペースがない。
- キッチンが独立している場合が多く、料理中に子どもの様子が見えにくい。
- 築年数が古い物件が多く、設備も旧式な場合がある。
家賃を抑えつつ、家族それぞれの個室を確保したい家族。日中は外出が多く、家では寝る時間が中心のライフスタイルの家族。
【2LDK】メリット・デメリットと向いている家族
現在のファミリー向け賃貸の主流ともいえる人気の間取りです。
- メリット
- 広く開放的なLDKで、家族が自然と集まりコミュニケーションが活発になる。
- 対面キッチンなど、家事をしながら家族の様子を見守れる設計が多い。
- 築浅で設備の整った物件が多く、選択肢が豊富。
- デメリット
- 人気が高いため、家賃が比較的高めに設定されている。
- LDKが広い分、個室が狭くなりがち。
- リビングを通らないと他の部屋に行けない間取りの場合、プライバシーが確保しにくいことも。
家族で過ごす時間を最も大切にしたい家族。小さな子どもがいて、常に様子を見守りたい子育て初期の家族。
【3LDK以上】メリット・デメリットと向いている家族
部屋数と広さに余裕があり、理想の暮らしを実現しやすい間取りです。
- メリット
- 家族全員の個室を確保しやすく、プライバシーが完全に守られる。
- 収納スペースが豊富に設けられていることが多い。
- 子ども部屋、夫婦の寝室に加えて、書斎やゲストルームなど多目的な部屋を持てる。
- デメリット
- 家賃が高額になり、それに伴い管理費や光熱費も上がる。
- 部屋数が多い分、掃除や管理の手間が増える。
- 家族が個室にこもりがちになり、コミュニケーションが減る可能性も。
思春期の子どもがいるなど、プライバシーを重視する4人以上の家族。在宅ワーカーがいて、仕事専用の部屋が必要な家族。
【戸建て/テラスハウス】メリット・デメリットと向いている家族
集合住宅とは一線を画す、自由度の高い暮らしが魅力です。
- メリット
- 上下階への足音など、騒音トラブルの心配がほぼない。
- 庭があれば、ガーデニングや子どもの遊び場として使える。
- 駐車場が敷地内に併設されていることが多い。
- デメリット
- マンションに比べて物件数が圧倒的に少なく、探すのが難しい。
- 建物の管理やセキュリティ対策は自己責任になる場合が多い。
- 駅からの距離が遠いなど、立地条件が限られることがある。
音に気兼ねなく、子どもをのびのびと育てたい家族。車を所有しており、広い駐車スペースが必要な家族。
まとめ

最後に、この記事の最も重要なポイントを振り返ります。
- 家族の「今」と「5年後の未来」を想像し、両方に対応できる間取りを考える。
- 間取りに絶対的な正解はない。コミュニケーション、プライバシー、家賃など、自分たちの家族が何を一番大切にしたいか、優先順位を決める。
- 間取り図と専有面積を確認し、内見では「生活動線」「収納」「可変性」など、実際の暮らしをイメージしてチェックする。
この記事が、あなたの間取り選びの一助となれば幸いです。最適な間取りは、家族の笑顔が一番生まれる場所のはず。ぜひ、楽しみながら、あなたのご家族にピッタリの住まいを見つけてください。