杉並区の住みやすさを解説!治安や周辺環境は?

「杉並区は都心へのアクセスと豊かな自然が共存し、『住みやすい』と一般的に人気のエリアです。

しかし、初めて東京で部屋を探す人にとっては、『本当に安全?』『駅前は騒がしくない?』『家賃相場は高すぎない?』など、土地勘がないからこその不安があるかと思います。

この記事では、東京で初めての一人暮らしや同棲を検討しているあなたに向けて、杉並区のリアルな治安データから、活気ある商店街、丸ノ内線の始発といった利便性まで、安心・納得できるお部屋探しのために知っておきたい情報を徹底解説します!

目次

杉並区の「住みやすさ」とは?5つの魅力と基本情報

東京23区の西部に位置する杉並区。JR中央線沿線を中心に「住みたい街」として名前が挙がることも多いですが、その「住みやすさ」の正体は何でしょうか?

まずは杉並区の基本的な情報と、多くの人に選ばれる5つの大きな魅力から、その全体像を掴んでいきましょう。

杉並区の基本情報

杉並区は、東京23区の中では8番目の広さを持ち、人口は約58万人(2025年10月時点の推計)が暮らす、比較的大きな区です。

位置としては、新宿区、渋谷区といった都心部に隣接しつつ、西側は武蔵野市や三鷹市に接しています。都心への利便性と、武蔵野の面影を残す落ち着いた住環境が共存しているのが特徴です。区内は中央のJR中央線を軸に、北部は西武新宿線、南部は京王線・井の頭線、東部は丸ノ内線と、多くの鉄道路線が走っています。

出典:杉並区のプロフィール

杉並区が「住みやすい」と言われる5つの魅力

杉並区の住みやすさは、特定の魅力一つではなく、複数の要素がバランス良く組み合わさっている点にあります。

魅力1:JR中央線、京王線など複数路線で都心アクセスが良い

区内にはJR中央線・総武線、京王線、京王井の頭線、西武新宿線、東京メトロ丸ノ内線と、5つもの主要路線が網羅されています。特に中央線(快速)を利用すれば、荻窪駅から新宿駅まで約10分、東京駅までも約25分と、都心への通勤・通学アクセスが非常に快適です。渋谷方面へも京王井の頭線で1本と、主要ターミナルへの移動に困ることはありません。

魅力2:善福寺公園など、23区内でも有数の緑の多さ

杉並区は、23区内で公園面積が広い区の一つとして知られています。善福寺川緑地や和田堀公園、井の頭恩賜公園(一部)など、大きな都立公園が点在。区立公園も多く、閑静な住宅街の中に豊かな自然が溶け込んでいます。休日には公園でリフレッシュしたり、子どもをのびのびと遊ばせたりできる環境が整っています。

魅力3:落ち着いた住宅街が多く、治安が良い

杉並区は古くから住宅地として発展してきた歴史があり、区の大部分が第一種・第二種低層(中高層)住居専用地域で占められています。駅前には商店街や商業施設がありますが、一歩入れば静かで落ち着いた住宅街が広がっているのが特徴です。地域の目が行き届きやすく、治安の良さに繋がっています。

魅力4:「子育て応援券」など独自の支援が手厚い

杉並区は「子育てするなら杉並」とも言われるほど、子育て支援に力を入れている自治体です。特に有名なのが、0歳から5歳の子どもがいる家庭に配布される「子育て応援券」。これは、区内の保育サービスや習い事、親子向けイベントなどに利用できる独自のバウチャー制度で、子育て世帯の経済的・精神的な負担を軽減しています。

魅力5:高円寺・阿佐ヶ谷の文化と、閑静な住宅地の両立

JR中央線沿線の高円寺、阿佐ヶ谷、西荻窪などは、古着屋、個人経営のカフェ、小劇場などが集まるサブカルチャーの発信地としても知られています。こうした活気ある文化的な雰囲気と、京王井の頭線沿線の浜田山や久我山のような高級感のある閑静な住宅街が共存しているのが杉並区の大きな魅力。多様なライフスタイルを受け入れる懐の深さがあります。

杉並区の住みやすさと治安

引越し先を決める上で、重要な条件の一つが「治安」です。杉並区は「治安が良い」というイメージがありますが、実際のところはどうでしょうか。客観的なデータと、安心できる理由を解説します。

杉並区の犯罪発生率データ

警視庁が発表する最新の「区市町村別犯罪別認知件数」データ(令和6年)を見ると、杉並区の犯罪発生率は、東京23区の中でも比較的低い水準にあります。

人口あたりの犯罪発生件数で比較すると、繁華街の多い都心部の区(新宿区、渋谷区、豊島区など)と比べて低く、世田谷区や練馬区といった同じ住宅地中心の区と比較しても低い傾向が見られます。

もちろん犯罪がゼロではありませんが、データ上、杉並区は「23区内でも治安が安定しているエリア」の一つとして評価できます。

出典:令和6年-区市町村の町丁別、罪種別及び手口別認知件数

治安が良いとされる理由

杉並区の治安の良さを支えているのは、前述の通り、区の大部分が閑静な住宅街であることです。

特に第一種低層住居専用地域が多く、大きなビルや騒がしい施設が建てられにくいため、街全体が落ち着いた雰囲気を保っています。古くから住んでいる住民も多く、地域のコミュニティが機能しているエリアも少なくありません。住民同士の「地域の目」が自然な防犯パトロールの役割を果たしていることも、治安の良さに寄与しています。

杉並区が取り組む防犯対策

杉並区は、治安維持のために積極的な対策を行っています。

代表的なのが「安全・安心パトロール(通称:青パト)」の巡回です。区が委託した専門の警備員が、青色回転灯を装備した車両で区内全域(特に犯罪が発生しやすい夜間)を巡回し、犯罪の抑止に努めています。

また、町会・自治会による防犯パトロール活動も活発です。さらに、主要な駅周辺や通学路、公園などには防犯カメラの設置が進められており、ハード面でも安全対策が強化されています。

注意すべきエリアはある?駅前の繁華街と住宅地の違い

杉並区全体としては治安が良いものの、一部注意が必要なエリアもあります。

例えば、高円寺駅や阿佐ヶ谷駅、荻窪駅といった主要駅の駅前、特に飲食店や居酒屋が密集する南口などの繁華街エリアでは、夜間に客引きや酔っ払いによるトラブルが全くないわけではありません。また、自転車盗やオートバイ盗は住宅街でも発生しています。

とはいえ、これらは他のどの街でも共通して言えるレベルの注意点です。駅から少し離れた住宅街に入れば、夜間は非常に静かで、女性の一人暮らしやファミリー層でも安心して暮らせる環境が広がっています。

杉並区の住みやすさを支える周辺環境

日々の生活の利便性や、休日の過ごしやすさは「周辺環境」によって大きく左右されます。杉並区は、この「買い物」「自然」「文化」のバランスが非常に優れています。

毎日の生活を支える買い物環境

杉並区は、日常の買い物に困ることはまずありません。昔ながらの商店街の活気と、大型商業施設の利便性が見事に共存しています。

活気ある商店街

杉並区の魅力として外せないのが、活気ある商店街の存在です。特に有名なのが、阿佐ヶ谷駅南口から青梅街道まで続くアーケード商店街「阿佐ヶ谷パールセンター」。七夕まつりでも知られ、雨の日でも濡れずに買い物ができます。

また、高円寺駅周辺には「高円寺純情商店街」をはじめ、「パル商店街」「ルック商店街」など複数の商店街が広がり、個性的な個人商店から飲食店、八百屋、スーパーまでが軒を連ね、歩くだけでも楽しいエリアです。西荻窪駅周辺にも、骨董品店やセンスの良い雑貨店が並ぶ商店街があります。

大型商業施設・スーパー

荻窪駅には「ルミネ荻窪」と「荻窪タウンセブン」が直結しており、ファッションから雑貨、食料品まで揃います。荻窪駅前の「西友 荻窪店」や高円寺駅前の「東急ストア」、西荻窪駅前の「西友 西荻窪店」などは24時間営業(または深夜営業)を行っており、帰宅が遅くなりがちな単身者や共働き世帯にも便利です。

また、京王井の頭線の浜田山駅や久我山駅、丸ノ内線の新高円寺駅周辺には「クイーンズ伊勢丹」や「サミット」など、質の良い品揃えのスーパーも点在しており、エリアごとに多様な買い物ニーズに対応できます。

豊かな自然環境と公園

都心に近い利便性を持ちながら、武蔵野の面影を残す豊かな自然環境は杉並区の大きな財産です。

区民の憩いの場

杉並区を代表する公園が、善福寺川に沿って広がる「善福寺公園」と「和田堀公園」です。善福寺公園は善福寺池を中心に、ボート遊びも楽しめる自然豊かな公園。和田堀公園は、広大な敷地内に野球場やバーベキュー場も備え、春には川沿いの桜並木が見事です。

また、東高円寺駅近くにある「蚕糸の森公園(さんしのもりこうえん)」は、かつての試験場の跡地を整備した公園で、滝や広場があり、近隣住民のオアシスとなっています。

緑地の多さとウォーキングスポット

杉並区は、こうした大きな都立公園だけでなく、区立公園や児童遊園の数も23区で有数です。区内を流れる善福寺川や神田川沿いは遊歩道として整備されており、ウォーキングやジョギングを楽しむ人を多く見かけます。閑静な住宅街の中にも緑道が整備されている場所が多く、日常生活の中で気軽に自然と触れ合える環境です。

杉並区ならではの文化と飲食店

杉並区、特に中央線沿線は、独自の文化が根付く街としても知られています。

中央線カルチャー

「中央線カルチャー」という言葉に代表されるように、杉並区には個性的な文化があります。特に高円寺は、日本有数の「古着の街」として知られ、駅周辺の商店街には数百軒もの古着屋がひしめき合っています。また、ライブハウスや小劇場も多く、「高円寺阿波おどり」は夏の風物詩です。

隣の阿佐ヶ谷は「ジャズの街」としても知られ、毎年秋には「阿佐谷ジャズストリート」が開催されます。西荻窪はアンティークショップや個人経営の書店が多い、文化的な雰囲気が魅力です。

お洒落なカフェから老舗の飲食店まで

こうした文化的な土壌から、杉並区にはチェーン店だけでなく、こだわりの個人経営の飲食店やカフェが非常に多いのが特徴です。

高円寺や阿佐ヶ谷の商店街には安くて美味しい居酒屋や定食屋が多く、外食派の一人暮らしにも優しい街です。一方で、西荻窪や浜田山周辺には、お洒落なカフェやベーカリー、隠れ家的なビストロも点在し、休日のグルメ巡りも楽しめます。荻窪は「ラーメン激戦区」としても有名で、老舗から新進気鋭のお店まで揃っています。

杉並区の住みやすさと交通アクセス

杉並区の住みやすさを語る上で欠かせないのが、都心への非常に良好な交通アクセスの良さです。区内を東西に貫く複数の路線が、快適な通勤・通学をサポートします。

【JR中央線・総武線】新宿へ1本の利便性(荻窪、阿佐ヶ谷、高円寺)

杉並区のメイン路線とも言えるのがJR中央線(快速)と総武線(各駅停車)です。

高円寺、阿佐ヶ谷、荻窪、西荻窪の4駅があり、特に中央線快速が停車する荻窪駅、阿佐ヶ谷駅からは、新宿駅まで乗り換えなしで約10分~15分、東京駅へも約30分弱でアクセス可能です。

平日の朝ラッシュ時は混雑しますが、総武線(各駅停車)を利用すれば、中野駅で東西線への乗り換えも可能。また、荻窪駅は中央線・総武線の始発電車(早朝・深夜)も一部設定されています。

【京王線・井の頭線】渋谷アクセスと閑静な住環境(永福町、浜田山、久我山)

区の南部を走るのが京王井の頭線と京王線です。

京王井の頭線(永福町、西永福、浜田山、高井戸、富士見ヶ丘、久我山駅)は、渋谷駅と吉祥寺駅を結ぶ路線です。急行停車駅の永福町駅や久我山駅からは、渋谷まで約15分~20分とアクセス良好。沿線は閑静な住宅街が広がり、落ち着いた住環境を求める人に人気です。

京王線(下高井戸、桜上水、八幡山駅など)は、新宿へのアクセスに優れています。

【東京メトロ丸ノ内線】始発駅(荻窪・方南町)の魅力

杉並区の東部から中央部にかけては、東京メトロ丸ノ内線が走っています。

荻窪駅が始発駅であるため、朝のラッシュ時でも座って通勤できる可能性が高いのが最大の魅力です。荻窪から新宿駅まで約15分、赤坂見附や霞ケ関、東京駅といったビジネス街へも乗り換えなしでアクセスできます。

また、分岐線の終点である方南町駅も、近年は路線延伸により新宿方面への直通運転(一部)が開始され、利便性が向上した穴場エリアとして注目されています。

【西武新宿線】高田馬場・西武新宿方面へのアクセス(上井草、下井草)

区の北部を走るのが西武新宿線です(下井草、井荻、上井草駅)。

JR中央線沿線と比較すると家賃相場が比較的抑えめなのが魅力です。高田馬場駅(JR山手線乗り換え)や西武新宿駅へのアクセスが良く、都心への通勤も便利です。

沿線はのどかな住宅街が広がっており、地域密着型の商店街も残っています。

【エリア別】杉並区の住みやすさ比較と家賃相場

杉並区はエリアによって街の雰囲気や利便性が大きく異なります。「結局、どの駅が自分に合っているの?」という疑問に答えるため、サジェストキーワードでも人気の高い主要エリアの特徴と、間取り別の家賃相場(目安)を比較してご紹介します。

※記載の家賃相場は、2025年10月時点のLIFULL HOME’Sに掲載された賃貸物件の募集データ(弊社集計による間取り別の平均賃料)を参考にしています。実際の家賃は、駅からの距離や築年数、設備などによって大きく変動します。

【荻窪】利便性と落ち着きが共存する街

  • 特徴
    • JR中央線・総武線、丸ノ内線(始発)が利用可能。「ルミネ」「タウンセブン」といった大型商業施設があり、買い物利便性は良好。駅前は賑やかですが、少し離れると「大田黒公園」などがある閑静な住宅街が広がります。ファミリー層から単身者まで幅広く人気です。
  • 家賃相場
    • 1R/1K: 約9.6万円
    • 1LDK: 約17.1万円
    • 2LDK: 約24.6万円

【高円寺】独自の文化と活気ある商店街の街

  • 特徴
    • JR中央線・総武線が利用可能。駅周辺に10以上もの商店街が広がり、古着屋、ライブハウス、安くて美味しい飲食店がひしめく「中央線カルチャー」の中心地。活気があり、一人暮らしやクリエイティブな層に特に人気です。「高円寺阿波おどり」でも有名。
  • 家賃相場
    • 1R/1K: 約8.5万円
    • 1LDK: 約17.8万円
    • 2LDK: 約23.0万円

【阿佐ヶ谷】住みたい街ランキング常連のバランス感覚

  • 特徴
    • JR中央線・総武線が利用可能。駅を挟んで南口の「パールセンター商店街」と北口の「スターロード」などがあり、日常の買い物に便利。駅前には「イトーヨーカドー」も。高円寺ほどの喧騒はなく、荻窪よりものんびりとした雰囲気。利便性と住環境のバランスが絶妙な街です。
  • 家賃相場
    • 1R/1K: 約8.5万円
    • 1LDK: 約16.6万円
    • 2LDK: 約25.1万円

【永福町・浜田山】京王井の頭線の閑静な高級住宅街

  • 特徴
    • 京王井の頭線の急行停車駅(永福町)。渋谷へのアクセスが良好です。駅前にはスーパーや商店街もありますが、基本的には静かで緑豊かな高級住宅街が広がります。「和田堀公園」も近く、治安も非常に良いため、子育てファミリーや静かな環境を好む層に高い人気を誇ります。
  • 家賃相場
    • 1R/1K: 約8.0万円
    • 1LDK: 約20.5万円
    • 2LDK: 約25.6万円

【方南町】丸ノ内線始発で穴場のエリア

  • 特徴
    • 東京メトロ丸ノ内線(分岐線)の始発駅。かつては乗り換え必須でしたが、近年は新宿方面への直通電車が増え、利便性が急上昇しています。駅前には「方南銀座商店街」があり、活気があります。中央線沿線に比べ家賃相場が抑えめで、利便性を求める単身者やカップルに注目のエリアです。
  • 家賃相場
    • 1R/1K: 約9.9万円
    • 1LDK: 約15.6万円
    • 2LDK: 約21.2万円

【久我山・高井戸】自然豊かでファミリーに人気のエリア

  • 特徴
    • 京王井の頭線の駅(久我山は急行停車)。神田川や玉川上水が流れ、緑が非常に多いエリアです。「井の頭恩賜公園」や「高井戸公園」も徒歩圏内。駅周辺は落ち着いた住宅街で、治安も良好。都心へのアクセス(渋谷・吉祥寺)も保ちつつ、自然の中でのびのびと子育てをしたいファミリー層に選ばれています。
  • 家賃相場
    • 1R/1K: 約7.3万円
    • 1LDK: 約14.0万円
    • 2LDK: 約23.9万円

まとめ

杉並区の住みやすさについて、治安、周辺環境、子育て、交通アクセス、エリア別の特徴まで詳しく解説してきました。

杉並区は、「都心へのアクセスの良さ」と「豊かな自然や閑静な住環境」という、相反するように思える二つの要素を高いレベルで両立させている、非常にバランスの取れた区です。

特に以下のような方に、杉並区は強くおすすめできます。

  • 通勤利便性と静かな暮らしを両立させたい人
    JR中央線や丸ノ内線、京王井の頭線で新宿・渋谷へ快適にアクセスしつつ、休日は落ち着いた住宅街やカフェでゆっくり過ごしたい方。
  • 活気ある商店街や文化的な雰囲気が好きな人
    高円寺や阿佐ヶ谷のように、個性的なお店やイベントが多く、街歩きが楽しいエリアを求めている方。

杉並区と一口に言っても、中央線、京王線、西武線と、エリアによって全く異なる顔を持っています。この記事を参考に、ご自身のライフスタイルにぴったりの「住みやすい街」を杉並区で見つけてください。

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